趣味の翻訳 FDA Cuts Trans Fat in Processed Foods

このサイトの翻訳です。

www.fda.gov

 

 昨日翻訳したFDAサイトはプレス向け(多分)ですが、消費者向けのリリースもあったので翻訳。昨日も思ったけどtrans fat をトランス脂肪酸と訳すのに若干もやもや。数年前のパブコメ募集の時期には trans fatty acid とか書いてあった気がするのだけど。

 

以下翻訳(図は省略)

 

FDAは加工食品中のトランス脂肪酸を削減する

 

冷凍食品、缶詰、パンなど下に挙げたものを含め、さまざまな加工食品はトランス脂肪酸を含んでいます。下図のように1サービング(訳注:可食部55g)あたりの成分量は栄養成分表示に書かれています。部分水素化油の含有量は下図のように、成分リストにトランス脂肪酸量という別の指標で示されています。

 

このページの内容:

  • もはや一般的に安全とは認識されない
  • トランス脂肪酸と部分水素化油(PHOs)
  • 消費者はどうするべきか?

 

トランス脂肪酸が栄養成分表示に書かれているのを見たことがあっても、なぜそこに書かれているのかはよく分からないかと思います。

トランス脂肪酸の摂取は、心臓発作を起こす動脈中のプラーク生成に寄与し、冠動脈性心疾患のリスク増加と関係しているとされます。このため食品医薬品局は、食品中のトランス脂肪酸量を栄養成分表示に明示することを求めています。多くの加工食品は部分水素化油(PHOs)を含み、加工食品中の人工的に生成されたトランス脂肪酸の主な摂取元となっています。

 

現在FDAは人工的なトランス脂肪酸を食糧供給から取り除くよう対策を行っています。今回のステップでは年に数千件起きている致死的な心臓発作を防ぐことが期待されています。

 

もはや一般的に安全とは認識されない

2013年、FDAはPHOsがもはや”一般的に安全と認識される(Generally Recognized as Safe 略してGRAS)”ものではないと仮決定を行いました。FDAは仮決定を終わらせ、どのような形であれ人間向けの食品に使用するものとしては、PHOsはGRASではないと判断しました。

 

「利用可能な科学的根拠と専門家委員会の調査結果に基づき、我々はこの決定を行った。」スーザン・メイン博士(FDAの食品安全応用栄養学センター長官)は述べています。「循環器病など慢性疾患を防ぐ上で、食事と栄養が大切なのは研究から分かっています。今日の取組みはアメリカ人の健康増進のためにFDAが進める他の取組みと合わさって進められます。」

 

トランス脂肪酸が完全になくなることはないだろうと、メイン博士は指摘します。トランス脂肪酸は肉や乳製品中で自然発生するためです。製造工程中で不可避的に生成されることもあり、とても小さい量ですが他の食用油にも存在します。加えて製造メーカーは、部分水素化油を特定用途に使用するためFDAに申請することができます。

 

トランス脂肪酸と部分水素化油(PHOs)

工業的に生産されるトランス脂肪酸の主な摂取元であるPHOsは多くのメジャーな加工食品に含まれます。アメリカ人が家族によく食べさせるパン、冷凍食品などです。PHOsは加工食品の賞味期限を延ばすためや、香りの安定性を保つため1950年代から広範囲で使われてきました。

 

しかし時がたつにつれ、様々な調査でトランス脂肪酸消費は心臓病と一貫して関係しているとされます。米国医学研究所科学アカデミーのA2002レポートでは、トランス脂肪酸の摂取と低密度リポ蛋白(LDL)コレステロールの増加レベルに直接的関係があることを発見しました。LDLコレステロールは一般的に”悪玉”コレステロールと言われ、心疾患のリスクを高めると言われています。

 

メイン博士によるとFDAは2006年1月よりトランス脂肪酸を栄養成分表示に加えるよう求めてきました。多くの会社は部分水素化油の使用をやめてトランス脂肪酸を低減または排除するために、自主的に食品加工法を変更し対応しました。そして消費者は食品を選択する際に、心臓への健康被害警告を受取っていました。

 

しかしFDAの食品安全管理者であるマイカル・E・ホニグフォートは、いまだに部分水素化油を加工食品に使っている製造業者がいると指摘しています。いくつか部分水素化油を含む食品の例をあげると:

  • クラッカー、クッキー、ケーキ、冷凍パイ、その他パンなど
  • スナック(はじけるポップコーンなど)
  • スティックマーガリン
  • コーヒークリーム
  • 冷蔵生地製品(ビスケット、シナモンロールなど)
  • パンに塗る砂糖

今ではもう部分水素化油は一般的に安全と認識されず、FDAは3年間の対応期間を設定しました。これは製造メーカーが部分水素化油の残っている使用量を3年で段々とやめていくか、食品へ添加するための認可を得るための期間です。

 

消費者はどうするべきか?

3年後までの期間、平均的な消費者は彼(または彼女)の好きな食品を手に取り、栄養成分表示のトランス脂肪酸を見てどうするべきなのか?一番いいのは飽和脂肪酸トランス脂肪酸の量を検討することです。これらの成分が一番低いものを選ぶとよいとメイン博士は言っています。

 

しかし食品に「トランス脂肪酸0グラム」と包装紙に書いてあったとしても、成分表示をきちんと見ることが大切だとホニグフォートは言います。現行の規制では、1サービング中トランス脂肪酸0.5g以下ならば、メーカーは0グラムと主張できるからです。ですが部分水素化油が成分に入っているか見れば、トランス脂肪酸が多少は含まれていると分かります。たとえ少しでもトランス脂肪酸が入った食品を選んでいれば、合計すると深刻な摂取量になってしまいます。

 

更新:2015年6月16日

 

 

翻訳おわり